
誰もが一度は手にしたことのあるロングセラー商品「ガリガリ君」。その裏側では、スピード感ある商品開発と市場対応を支えるためのIT基盤改革が進められていた。
赤城乳業株式会社(以下、赤城乳業)では、「Fit to Standard」を前提に従来の“作り込むERP”から脱却し、ERPを“シンプルに保つ”方向に舵を取った。「標準化」と「差別化」のバランス、「Side by Side開発」によって基幹システムの刷新を成功へと導いた。
課題
赤城乳業が下した、基幹システム刷新の方針
赤城乳業はこれまでも、ERPを中心に業務の集約と効率化を進めてきた。しかし、現行のERPの保守期限が迫る中、次世代の基幹システムをどう構築するかが大きなテーマとなっていた。アイス製品特有のシーズンや気候による需要変動に対応する緻密なPSI(生産・販売・在庫)管理の高度化を進めていくには、既存のシステム環境では難しくなっていたという。
赤城ホールディングス株式会社 情報システム部 課長の石井敏行氏は、システム構築の背景を次のように語る。「刷新にあたっては、ERPのバージョンアップ一択では無く、複数のERP製品を比較しました。経理、営業、物流など全社的な観点で選定をおこない、最終的にSaaS型ERPを採用することにしました」。
加えて、ビジネス環境や業務要件の変化に迅速に対応できるシステム基盤を実現したいという狙いもあったという。「標準化できる領域とビジネスの生命線として強みを発揮する領域を明確にする。ERPは標準機能で賄い、差別化すべき機能は内製化も見据えERPの外で開発する。業務要件の変更が発生した場合、ベンダーに依頼するとコストも時間も掛かりますから」と石井氏は話す。
こうしてERP本体は、クリーンコアを守りながら、標準化と差別化を両立する方針が固まった。
情報システム部 課長 石井 敏行 氏導入検討
差別化領域を担うフロントシステムの重要性
今回のプロジェクトで重視したのは、単にFit to Standardを徹底することではなかった。
標準化領域はERPに合わせる。一方で、現場の競争力や日々社員が使用する業務効率に直結する差別化領域はSide by Sideで開発する。この2段構えの考え方が、システム刷新の根幹にあった。「Fit to Standardだけで進めると競争力が落ちてしまう。守るべきところはSOR(System of Record)としてERPで記録し、差別化すべきところはSide by Side開発で実現する。その役割を担うERPフロントシステムとして尖る部分を表現するには皆伝!が適していました」と石井氏は言う。

選定の決め手は「複数日付管理」と「振替伝票」
ERPの導入決定後に検討されたワークフローシステムの選定に関しては、以前から利用していた皆伝!の継続利用が決まっていたわけではない。あくまで選択肢の一つとしてSaaS型経費精算システムを含め、フラットに比較検討を行った。
経理部 部長の小原康行氏は、最終的に皆伝!を選んだ理由を次のように語る。「決め手となったのは、皆伝!なら1つの案件を複数の日付で管理できる点です。冷菓事業では、売上発生月と売上発生月に使用した経費の精算月で期ずれを起こすことがあります。営業部門からは、当月の売上に対して、どれだけ経費が掛かったか分析したい。このため会計日付と管理上の日付を持つことは必須でした」。
会計処理の正確性を担保しながら、営業、販促活動の実態に即した分析は「あれば便利」な機能ではなく、業務を成立させる必須条件であった。また、小原氏は「同社では、振替伝票が数多く発生します。他社製品の振替伝票機能も検討しましたが、複雑な処理ができERPへ正確な会計データを渡すことができるのは皆伝!だけでした」と付け加えた。
経理部 部長 小原 康行 氏効果
承認フローの見える化とメンテナンスの効率化
皆伝!の刷新では、これまでの機能をそのまま移行したわけではない。むしろ、過去に作りすぎた部分を見直し、必要な機能だけに絞り込み、現場の使いやすさの維持とメンテナンス効率を重視した。
ユーザーでもある経理部 係長の高橋恵里氏は、「これまでは、自分が承認した案件しか見ることができなかったのですが、承認状況を管理部全体で閲覧できるようにしてもらったことで業務フローが可視化され業務が改善しました」と言う。他にも、「代理申請や申請コピー機能、マスタデータの日時更新予約によるユーザー側での一時利用停止の回避や複雑化していた権限設定を根本的に見直し簡素化したことで、業務への影響を最小限に抑えたメンテナンス作業が可能になりました」と効果を語っている。
皆伝!は、ERPと切り離れた単独の経費精算システムではない。ERPの前段で業務データを整え、正確なデータをERPへ連携する。その役割を果たすには、製品機能だけでなく、ERPと会計業務の双方を理解した導入支援が欠かせなかった。
経理部 係長 高橋 恵里 氏未来
速報データの活用やAIによる自動化も視野に
現場の業務スピードを落とさずにクリーンコア戦略でシステムを刷新した赤城乳業だが、今後も引き続き効率化に向けた改善を検討している。
石井氏は「よりスピーディなデータ活用を考えています。現状、皆伝!に承認される前の速報的なデータは後続システムに連携する仕組みになっていません。今後はシステム連携を強化し、営業経費などの情報をタイムリーに活用できる状態にしていきたいです」と語る。また、申請による勘定科目の設定ミスなどを無くすため小原氏はAI活用にも期待を寄せている。
「領収書の読み取りから勘定科目の設定までAIによる自動化を目指したい。申請者と経理部門の双方の負担が大きく減らせますから」と話す。ただし、会計データは正確性や内部統制が求められる領域である。AIと人間の目による二重チェックや最終判断など、内部統制を担保する仕組みを整えることも重要だと考えている。
最後に、ERPのクリーンコアを守るために、現場を我慢させるのではない。標準化領域はERPへ、差別化領域は皆伝!へ。赤城乳業はその切り分けによって、標準化と現場最適を両立する新たな業務基盤を構築し歩みだした。
会社概要
赤城乳業株式会社様
- 本社
- 埼玉県深谷市西島町2丁目12-1
- 設立
- 1961年12月20日
- 資本金
- 3億5,000万円
- 概要
- 型にはまらない発想と遊び心を大切に、思わず笑顔になる独創的な商品づくりに挑戦し続けるアイスドリームメーカーです。「ガリガリ君」をはじめ、世代を超えて親しまれるアイスを徹底した品質管理のもとで生み出しています。おいしさと安心・安全を追求し、アイスを通じて人々の日々の暮らしに楽しいひとときを届けています。

各数値は2026年10月現在のものです。
皆伝!のソリューション
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皆伝!ワークフロー
バックオフィスと現場をつなぐ統合型ワークフローシステム
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皆伝!経費精算
業務効率化とコスト管理の最適化を実現する経費精算システム
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皆伝!勤務管理
「多様な働き方」と「勤務状況の可視化」、2つの軸に特化した勤怠管理システム
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皆伝!マイナンバー
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皆伝!の導入事例
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リケンテクノス株式会社様
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