取引先ごとの経費の「見える化」で、従業員のコスト意識向上を実現!

敷島製パン株式会社様

製造業

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食パンシェアNo.1ブランドの「超熟」シリーズをはじめ、多くの消費者に支持されている各種パンを製造・販売する敷島製パン株式会社(以下、敷島製パン)。2011年から取り組んできた「基幹システム刷新プロジェクト」において、現場で直接入力を行うための経費旅費精算システム『皆伝!ワークフロー』の導入により、現場での経費承認フローを円滑かつスピードアップさせるとともに、取引先ごとの経費を「見える化」させたことで利益改善にも成功。さらに、経費の予算統制が行えるようになり、従業員のコスト意識を向上させるきっかけにもつながっている。

課題

「利益重視」の体質へ改革するため、販売経費の統制管理をレベルアップ

国内の約5万9,300店舗にパンや和洋菓子を展開している敷島製パン。
2020年に創業100周年を迎える同社は、「Always Basics」を合言葉に、「パンづくりで社会に貢献する」という創業精神を守りながら、看板商品の「超熟」シリーズでは従来のパンづくりに欠かせなかったイーストフードや乳化剤を不使用にするなど、常に「おいしくて安心」への意欲的な挑戦を続けている。

そのチャレンジ精神は、社内システムの再構築にも向けられ、売上重視に陥りがちだった企業体質から利益重視の経営へと変革するため、ゼロベースでシステム全体を見直すプロジェクトを2011年にスタートさせた。

「当社では、約40年間ホストシステムを運用し、必要に応じて都度手を加えてきました。その結果、ツギハギだらけのシステムになってしまい、市場の変化や時代の流れにしっかりと対応していくには、オープンテクノロジーを用いた基幹システムへの刷新をはかることが重要となりました」と話すのはSPS推進部企画グループ係長の犬飼昭宏氏。

経費旅費精算システムも業務改善や操作性向上の視点を加えて、オープンシステムで再構築することにした。

財務経理部 財務グループ
マネージャー 倉田敏幸氏

「これまで経費旅費の申請や精算は、当社用にカスタマイズした機能が多いシステムであったため保守面で課題を抱えていました。それをパッケージの標準機能で解消し、保守コストを下げることが目的でした。また、入力作業を行う従業員が戸惑わないようにと使い勝手の良さは維持しながらも、より効果が得られるシステムにしたいと考えていました」と財務経理部財務グループのマネージャー倉田敏幸氏は話す。

果たして、どのような効果を期待していたのだろうか。

「当社は食品メーカーなので、製造原価の予実把握は従前から実施していました。これをさらに進め、費用対効果の把握が難しい販売経費についても、一層の見える化を進め、損益意識を高めたいと思っていました。たとえば、ある取引先に対して売上が目標に達したとしても、必要以上の経費が掛かっていれば当然利益は薄くなってしまいます。どの部門がどれくらいの経費を使ったかは管理できても、具体的にどの取引先に対して使ったのかが分からなければ、その取引先に対して的確な営業戦略を立てることができないことになります」と倉田氏は言う。

SPS推進部 企画グループ
係長 犬飼昭宏氏

導入効果

「事前申請」機能が経費への抑止力に!予算統制の必然性も管理職に浸透

従来同様に使い勝手が良く、従業員のコスト意識向上を促しながら、利益改善にも貢献できるシステム――。これらの課題をクリアしたのが、『皆伝!ワークフロー』だった。

「取引先別の経費が“見える化”できるというのは大きな魅力でした。“問題の見える化”が経営課題のひとつでもあったため、確実に実行するための手段として導入を決めました。2013年12月に導入してから3年超経ちますが、確かな成果が出ています」と倉田氏は話す。

今までは、いくら経費をかけてセールスをしても、それがどのように利益に結びついているのか裏付けをとることが難しかった。『皆伝!ワークフロー』は取引先別や部門別などの管理項目を設けており、営業部門がどの取引先にいくらの経費を投入したかわかる仕組みを提供した。

倉田氏はさらに
「決して経費の抑制を厳しく統制しているわけではありませんが、現場の管理職も細かくデータが見られるようになり、自然に予算統制がとれるようになってきました。そうした積み重ねの成果で徐々に利益が改善されつつあります」と話を続ける。

「また、『皆伝!ワークフロー』の『事前申請』と『部門別費目別予算』の機能は役立っています。
経費に関して、予算統制をはかることは財務経理部の課題のひとつでした。売上・経費・設備などの予算は立てていますが予算通りにいかないこともあります。ただ経費についてはできるだけ予算通りにいくようにコントロールすべきと思っていました。そうすれば全体の管理がしやすくなりますから」と倉田氏は言う。

『皆伝!ワークフロー』は、「事前申請額」が「部門別予算」をオーバーすると画面表示の数字の色が変わるとともに警告が表示される機能を用意している。申請者である従業員も承認者である管理者も、一目で「今月はちょっと経費を使いすぎた」と把握することができる。もちろん、そうなっても経費が使えないわけではなく、いわば抑止力が機能する状態を作り出したのである。

「財務経理部としても各部門に予算統制の必要性を啓蒙できる材料となって助かっています。各部門にしてみれば、従来の経費使用後の申請以外に、事前申請をする手間が加わったのですから、当初は戸惑いもありましたが新しいシステムのおかげで予算統制ができるようになったと感じています」と倉田氏は話す。

利益改善が進むと同時に、従業員間でのコスト意識も着実に向上している。

導入事例(敷島製パン様)システム概要図
敷島製パン様が導入された『皆伝!ワークフロー』

迅速かつ簡単な承認処理や、入力の手間を省く機能も現場から高評価

使い勝手の良いシステムであったことも、『皆伝!ワークフロー』導入の決め手となった。

システム担当の犬飼氏は、その理由を次のように話す。
「複数のベンダから経費旅費精算システムの提案を受けましたが、操作性の点で難点があり、というのが率直なところです。唯一、『皆伝!ワークフロー』だけが直感的な操作性に加えて基幹系との接続や移行などの点でシステム担当者として導入しやすいと感じました。さらに従業員の利便性を向上させる機能を標準装備していたのも魅力的でした」

「今までは、経費をシステムに登録したらプリントアウトして、上長に紙ベースで承認印をもらうのが、経費計上のフローでした。ところが、『皆伝!ワークフロー』は、ノートパソコンやタブレットで、どこにいても承認できるという機能があり、営業部門などは、申請から承認、精算までのスピードがアップしています。また、誰がいつ、どのような経費計上をしたのか、即座に見られるのも非常に便利です」と話すのは、倉田氏のもとで経費の処理業務に携わる財務経理部財務グループの佐藤真奈美氏。

財務経理部 財務グループ
佐藤真奈美氏

この点に関しては、倉田氏も言及している。

「今までは、紙で承認印を押してから本社へ送っていたため、どうしてもタイムラグが生じ、本社での処理にも時間が掛かっていました。しかし、ワークフロー承認で自動連携されるため、経費の月末締めの月ズレが減少し精度が上がっています」

また、本社での処理業務を円滑化するために行ったカスタマイズも有効に機能している。

「営業部員などは車で移動することが多いため、駐車場代などの領収書がどうしても発生します。
電子帳簿保存法がどのように改正されるかで、今後の対応も変わってくるとは思いますが、現時点では領収書を申請書類に添付して本社に送らなければならないフローは外せません。その現状を相談したところ、バーコードで読み取る仕様にカスタマイズしてくれました。
おかげで、証憑が届いていない部門をスピーディに把握できるため、すぐに催促できるようになりました」と佐藤氏は言う。

機能拡張が容易な『皆伝!ワークフロー』の特長を活かしたソリューションであることがわかる。さらに佐藤氏は「『過去案件コピー』は非常に便利な機能で重宝しています。ワンクリックで過去の情報が反映できるので、同じ取引先を回る場合など、過去に類似の申請を行っていた場合、勘定科目を都度確認したり移動区間を入力したりする手間が省けます。電車を使用した場合に都度運賃を確認・照合する必要もなく助かっています」と話を続ける。

本業務以外となる経費申請で、ミスをしないように配慮するのは負担になるものだが、できるだけ負担を軽減しスムーズな入力を行える点が高く評価されている。

未来

3年超で障害はゼロ!安定したシステムを100年企業の基盤に

『皆伝!ワークフロー』が他のシステムに先駆けて本番稼働してから、これまでシステム部分での問題はほとんど起きていないと言う。

「導入直後は、レスポンスなどの調整の問題もありましたがその後は順調です。問い合わせにも迅速に対応してくれますし、運用していくうえでのストレスはありません。今後は、2019年10月に予定されている消費税増税に向けてより強固なシステムにしていくことを目指しています」と犬飼氏の頭の中には次の展開が描かれている。

倉田氏は「持続的にシステムを運用していくためには、従業員への啓蒙を引き続き進めていく必要性がある」と言う。

「システム障害はこれまでないのですが、少数とはいえ、まだ入力ミスがあるのが現状です。ほとんどが単純なミスですが、パソコンに慣れていない人には、今後も根気強く伝えていかなければなりません。それに、申請者側だった従業員が、いつ承認者側に立場を変えてもスムーズに対応できるようにしていく必要もあると思っています。そうした取り組みが、従業員のコスト意識を向上させるとともに利益改善につながっていくと確信しているため、今後も『皆伝!ワークフロー』は頼りにしています」と語る。

現在だけでなく、中長期的な視野に立って運用を考える姿勢は、まさに敷島製パンの合言葉である「Always Basics―創業の原点を忘れず、明日へ大胆に挑戦―」を体現している。「業務をつなぐ、未来をつなぐ」をキャッチフレーズとする『皆伝!ワークフロー』も、同じく大胆に挑戦を続けより業務効率の向上をサポートできるソリューションで支えていく。

  • 敷島製パン株式会社
    • (前列:左)SPS推進部 企画グループ 係長 犬飼昭宏氏
    • (前列:中)財務経理部 財務グループ 佐藤真奈美氏
    • (前列:右)財務経理部 財務グループ マネージャー 倉田敏幸氏
  • スミセイ情報システム株式会社
    • (後列:左)システムソリューション第2部 上席マネージャ 原田有美氏
    • (後列:右)システムソリューション第2部 コンサルタント 山本圭一郎氏

会社概要

敷島製パン株式会社様

本社
愛知県名古屋市東区白壁5丁目3番地
創業
1920年6月(大正9年6月)
資本金
1,799百万円
社員数
3,914名
工場数
国内15工場(グループ企業4工場含む)
事業所数
国内40事業所
販売店舗数
59,268店舗
概要
パンや和洋菓子を展開する敷島製パンは、「パンづくりで社会に貢献する」という創業精神を守り、良質な小麦をもとにした美味しさの基本を変えることなく、安全・安心を第一に、常に意欲的に革新に取り組んでいます。Always(いつでも、これからもずっと)、食のBasics(基本・基準)に立ち返りながら、「健康と美」に供する商品を創造しています。

各数値は2016年8月末現在のものです。

皆伝!のソリューション

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