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「非機能要求グレード2018」活用セミナー
~システム基盤の非機能要件定義を企業の実例から学ぶ~
昨今、ITシステムの大規模化・複雑化が進み、一部ではトラブルの発生数が増大しています。今後、予想もしなかった相手とシステムがつながり、要求が多様化して複雑に深化すると、一つの不備が広範囲に影響し、社会に与えるインパクトは以前とは比較にならないほど甚大になります。
不備が存在する一因は、本来の機能以外の要求である非機能要求(サイバー攻撃を防御しきれずに侵入されることを前提とした新しいセキュリティの考え方やログの相関分析といった新しいセキュリティ対策など)を定義することの難しさが挙げられます。また、非機能要求の重要度を判断し、どの領域で、どの程度の数の非機能要求項目をどのような水準で決めればよいのかといったノウハウを、非機能要求を定義する担当者がもっていない、あるいは十分に活用できていないことが要因として考えられます。
IPAは、このような問題を解決するために、重要な項目から段階的に詳細化しながら非機能要求の確認を行うツールである「非機能要求グレード」を2010年から提供しており、2018年4月には、非機能要求の変化に対応した改訂版「非機能要求グレード2018」を公開しました。
本セミナーでは、この「非機能要求グレード2018」を用いた講義とハンズオンにより、非機能要求を漏れなく効率的に定義するためのノウハウを紹介します。さらに、企業における非機能要求グレードの活用事例を通して、現場で実践的に活用するポイントを紹介します。
内容
13:00~
受付
13:30~15:20
非機能要求グレードとは ~基本的な利用方法から応用まで~
情報システムを開発する際、ユーザ企業と開発企業の双方が要求を正確に認識するためには多大な苦労を伴います。なかでも非機能要求はその認識共有が難しく、手段も確立していません。
本講演では、システム基盤における非機能要求の項目を段階的な選択肢として提示し、メニュー化した「非機能要求グレード」について解説します。また、ハンズオンを通して、実際に「非機能要求グレード」を使った非機能要求の定義の方法を体感できます。
- 非機能要求の重要性と課題
- 非機能要求グレードを構成するツール群の紹介
- 非機能要求の合意プロセス(ケーススタディ)
- ハンズオン:グレード表を用いた個人演習
(モデルシステムの選択、重要項目の調整、メトリクスの検討・決定)
講師
非機能要求グレード改訂WG委員
富士通株式会社
サービステクノロジ本部 デジタルインフラサービス統括部
マネージングITアーキテクト 河野 太基 氏
15:20~15:30
休憩
15:30~16:00
改訂版「非機能要求グレード2018」の紹介 ~改訂のポイントと使い方のヒント~
近年のセキュリティ脅威の増大やクラウド・コンピューティングに代表されるシステム基盤の多様化などの社会情勢の変化に対応するため8年ぶりに改訂した、「非機能要求グレード2018」の改訂ポイントと、非機能要求グレードを構成する各種ガイド類の使い方のヒントを紹介します。
講師
非機能要求グレード改訂WG主査
スミセイ情報システム株式会社 PMO部
統括マネージャ 小浜 耕己
16:00~16:40
事例1 : 要件定義の抜け・漏れを防ぐシンプルな非機能の考え方 ~上流工程にポイントをおいた非機能要求グレードのカスタマイズ事例~
システムの安定運用を実現させるためには、機能も重要ですが、日々のシステムの運用を支える非機能の仕組みも重要です。非機能の定義は、システムの規模や導入コンセプトにより様々ですが、システム構築の早い段階(上流工程)から要求を決めていく必要があります。
弊社では、上流工程での要件定義の抜け・漏れを防止するため、非機能要求グレードをよりシンプルにカスタマイズし、社内に展開することで、そのリスクを軽減する活動をしています。
本講演では、どのような考えに基づき非機能要求グレードのカスタマイズを行ったか、またその運用方法について紹介します。
講師
横河ソリューションサービス株式会社
コーポレート本部 グローバルレスポンスセンタ(GRC)
テクニカルソリューション部 ICTサポートGr
体制構築チーム長 柳下 輝男 氏
16:40~16:50
休憩
16:50~17:30
事例2 : ユーザ企業が実践する非機能要件定義 ~ベンダ企業と共創するマネジメントプロセス~
証券市場を支える証券取引所では、以下の高いレベルの非機能要求を実現するシステムを構築し、運用しています。
- 数百マイクロ秒で取引注文を応答し、かつ秒間数万件のスループットを処理する「性能」
- 社会基盤インフラに求められる「信頼性」
- 数百万件程度の注文件数が、6時間で1億件を超える「拡張性」
本講演では、東京証券取引所の株式売買システム「arrowhead」のアルゴリズム取引等の発展によって実現する超高速、かつミッションクリティカルなシステム構築の実例を紹介します。特にプロジェクト推進にあたり、上流工程を重要視し、要件定義段階からベンダ企業と協業して、全工程の性能・信頼性・拡張性をトレースする非機能マネジメントの適用プロセスについて詳しく紹介します。
講師
株式会社東京証券取引所
IT開発部 課長
トレーディングシステム担当
ITインフラ・テクノロジー統括 松田 敬治 氏
- ※プログラムは変更になる場合がございます。予めご了承ください。
- 開催日時
- 2018年8月29日(水) 13:30~17:30 (受付開始13:00)
(SLCセッション 15:30~16:00) - 会場
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独立行政法人情報処理推進機構内 会議室
東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス13階 - 主催
- 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
- 後援
- 特定非営利活動法人ITコーディネータ協会(ITCA)
- 定員
- 60名
- 対象者
-
- システム基盤の要件定義を担当する方(機能要求・非機能要求)
- 非機能要求の定義がはじめての方・興味のある方
- 非機能要求グレードを実務に活用したい方
非機能要求グレードを用いて、システム基盤に関する非機能要求を段階的に詳細化して定義する方法を学ぶことができ、現場で実践的に活用する応用力を身につけることができます。
- 申し込み方法・詳細
- 受付終了しました。